Mar 17, 2008

朗読者 / ベルンハルト・シュリンク

松永美穂訳繋がりでベルンハルト・シュリンクの『朗読者』を読む。「ぼくは当時『オデュッセイア』を再読していた。……帰郷の物語としてずっと記憶にとどめていた。しかし、それは帰郷の話などではなかった。同じ流れに二度身を任せることができないと知っていたギリシャ人たちにとって、帰郷など信じられないことだった。オデュッセウスはとどまるためではなく、またあらためて出発するために戻ってくる。『オデュッセイア』はある運動の物語にほかならない。」という文章で、え、帰郷の物語じゃなかったの? と、『オデュッセイア』が読みたくなる。シュリンク2006年の長編が"Die Heimkehr"『帰郷』であることを考えても、『オデュッセイア』には惹かれる。