"Will tomorrow be the same as yesterday"("Mournin' Glory Story", Harry Nilsson, «Harry»)
私のモットーは「現状維持」であり、常日頃から、兎に角、今よりも悪くならないことだけを願っているのだが、「現状維持」とは、勿論、自然に任せるという「状態」のことではなくて、むしろ、自然に逆らうマクスウェルの悪魔のような「作業」に他ならない。
いや、そんな無益な苦労話はどうでも良い。涙ぐましくも夢も希望もない、しかし、安逸な日々の果てに、私はただただHarry Nilssonの1969年の4枚目のアルバム《Harry》の7曲目"Mournin' Glory Story"の美しい哀しみを耳にしつつ眠るのである。
さて、Harry Nilssonの伝記を紐解くなら、銀行のコンピュータープログラマーだったこと、John Lennonの飲み友達だったこと、喉を傷めたこと……などなどたちまち起伏に富んだ神話的世界に迷い込むことも出来るのだが、その逍遥は他日に譲り、今はただこの繊細な音楽の流れに身を任せよう。そう言えば、アルバム《Aerial Ballet》(1968年)(なんと素敵なアルバム名なのか!)の” I Said Goodbye To Me”も好きだな。