Jan 17, 2015

三八 右近

百人一首の中で最も鬼気迫る、というか、ちょっとどうかしちゃっている一首と言えば、やはり「三八 右近」となるだろう。

三八 右近
わすらるる みをばおもはず ちかひてし             
      ひとのいのちの をしくもあるかな

〈通釈〉 あなたに忘れられるわが身のことは何とも思いませんが、ただ神かけて忘れないと誓ったあなたの命が、神罰をうけはしないかと惜しく思われることです。
(任天堂株式会社『小倉百人一首しおり』)

……お、脅しか、これは? モンティ・パイソンのマフィアのスケッチを彷彿とさせる入魂の作品である。


右近(歌人)
右近(うこん、生没年不詳)は、平安時代中期の女流歌人。父は右近衛少将藤原季縄。 醍醐天皇の中宮穏子に仕えた女房で、元良親王・藤原敦忠・藤原師輔・藤原朝忠・源順などと恋愛関係があった。(…)一説によると、この歌の相手は藤原敦忠と言われている。
(Wikipedia)
やけに下世話な人物紹介だが、それもまた良し。こうなって来ると、お相手と目された「四三 権中納言敦忠」の歌が大変気になるところ……。短命だったことが、右近の一首との関連付けを誘ったと目されるが、Wikipediaによれば、この権中納言、何でも、和歌・管弦に秀でた美貌の公家だったらしい。のっけから少女漫画の匂いがぷんぷんするではないか。