「アメフラシ」と聞いて真っ先に浮かぶ本は、私の場合、飯野和好の『くろずみ小太郎旅日記 その3 妖鬼アメフラシ姫の巻』なのだが、それでは飯野和好の絵本で取り分け印象的なものはと言えば、谷川俊太郎の『おならうた』になると思う。
……とは言え、薫くみこの『あのときすきになったよ』も捨て難い。「おしっこ もらしてばっかりいるから」「しっこさん(*)」と呼ばれている「きくち まりか」(表紙後方)と、「わたし」=「かさまつ ゆいこ」(表紙前方)の、東映任侠映画ばりの信頼形成のプロセスを生々しく描いた作品で、些かアナーキーな友情にじんと来ること間違いなしだ。
また、表紙でも髪型にその片鱗を表しているが、「しっこさん」のカチューシャはいい。
(*)「しっこさん」という響から、"Schicksal"という単語を思い出し、確かにShikko-san ist ihr Schicksal.だと、独り言ちる。